気管支ぜんそく/咳ぜんそく

気管支喘息とは

気管支喘息は、慢性の気道炎症を本態とし、変動性を持った気道狭窄(喘鳴、呼吸困難)や痰などの臨床症状で特徴づけられる疾患とされています。

気管支喘息の症状

喘息の症状として、夜間、早朝の咳(せき)やゼイゼイ、息切れだけではなく、胸の痛みや気道の狭い感じ、咳が長く続くなど多彩な症状があります。
また、心不全、肺気腫、逆流性食道炎、鼻炎でも同じような症状をきたすことがあるため、診断は容易ではありません。
気管支喘息は一般的にアレルギーが関与した疾患と考えられていますが、特に成人の方については、非アレルギー性の炎症が主体の気管支喘息があるため、さらに診断に注意を要します。

このような悩みを抱えておられませんか?

  • 咳の原因が、喘息かどうかわからない
  • 喘息の治療を行っているけれど、良くならない

もし、咳の原因を調べたい、喘息の治療がこのままでよいか不安という方がおられましたら当院へご相談ください。

検査

喘息を診断するために当院で施行している検査を紹介します。

① 胸部レントゲン写真
喘息以外の疾患を除外するために行います。肺炎や心不全による肺水腫、胸水貯留などがないかどうか調べます。
② 呼吸機能検査
1秒率(FEV1.0%)(<70%で閉塞性呼吸機能障害)やフローボリューム曲線をみることで、喘息に合致する所見であるか判断します。
③ 気道可逆性検査
喘息を疑うときに行う呼吸機能検査です。気管支拡張薬の使用前後で、一秒率がどの程度改善するか(可逆性の有無)を検査します。
④ 呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)測定 (準備中)
専用の機械に息を吹き込み、気道中の炎症を反映するNOを測定します。 日本人での研究では22ppb~36.6ppbが正常者と喘息患者のカットオフ値という報告もあり、それ以上の値では喘息の可能性を考えます。
⑤ 血液検査(外注検査)
採血で好酸球数や非特異的IgE、ダニ、ハウスダスト、花粉、カビ、ペットなどの吸入抗原に対する特異的IgEを評価します。

当院の喘息治療の特徴

初診時は、まず、患者様の症状を一早く改善することを目標としています。
上記の検査すべてを初診時に行うわけではなく、患者様と相談しながら、必要な検査を適切なタイミングで行いますのでどうぞご安心ください。
胸部CT検査をご希望される方につきましては、近隣医療機関と連携しながら、検査を実施しています。

喘息の治療

治療の目標は、喘息による症状や増悪がなく、患者様の呼吸機能、生活の質を良好に保つことです。
患者様の今の症状をコントロールすることだけでなく、将来のリスクを避けること、つまり、呼吸機能低下の抑制、喘息発作の回避、薬の副作用を回避することを重視しています。
喘息の診断後、症状のステージにあった治療を開始し、患者様の生活をより良いものにするように努めてまいります。

喘息治療の基本は「吸入ステロイド薬」です。

喘息治療の最も基礎になるのが「吸入ステロイド薬」です。
吸入薬には、ステロイド薬単剤だけでなく、ステロイド薬と気管支拡張薬との合剤の選択肢もあります。
吸入薬には、様々なタイプのデバイス(薬をどのように吸入するか)があります。

主に、
・パウダータイプ(DPI)
・エアゾール製剤(pMDI)
があります。

患者様には、当院の看護師や薬局の薬剤師から、吸入方法を丁寧に指導しますのでご安心ください。
また、吸入薬によって「声がれ」などの副作用が出現した際には、他の吸入薬への適切な変更をご提案しますので、お気軽にご相談ください。

重症喘息/難治性喘息について

当院では、アレルギー専門医、呼吸器専門医が喘息の治療を専門的に実施します。
重症喘息には吸入ステロイドを中心に、気管支拡張剤、抗アレルギー剤を組み合わせて治療を行いますが、それでも治療目標が達成されない「難治性喘息」の方も少数おられます。

新たな治療戦略

難治性喘息の患者様に対しては、生物学的製剤(バイオ製剤)と呼ばれる、医学の発展によって開発された注射薬の選択がありますので、その一部についてご紹介します。
ただし、これらの薬価は高額なため、患者様とよく相談を重ねた上で、導入を検討します。

①抗IgE抗体(オマリズマブ、ゾレア®)
アトピー型(アレルギー型)重症喘息に良い効果が期待できます。投与量および投与間隔は総IgE値と体重から換算され、重症な花粉症の方にも有効です。
②抗IL-5抗体(メポリズマブ、ヌーカラ®)
IL-5を抑えることで、好酸球を減少させる効果があります。重症喘息に対しては1回100mgを4週間隔で皮下注射します。 ご自宅において、患者様ご自身で注射していただくことが可能な薬剤です。
③抗IL-5受容体α抗体(ベンラリズマブ、ファセンラ®)
メポリズマブと同様、好酸球を減少させる効果があります。1回30mgの注射を、初回、4週後、8週後に投与し、以降は8週間隔に皮下注射を行います。
④抗IL-4受容体α抗体(デュピルマブ、デュピクセント®)
喘息とアトピー性皮膚炎、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に適応があります。好酸球の末梢組織への遊走抑制、IgEの産生抑制など複数の作用機序が想定されています。 喘息では、初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下注射します。 ご自宅において、患者様ご自身で注射していただくことが可能な薬剤です。

そのほか、抗TSLP抗体(テゼスパイア®)も発売されています。

これまでは重症喘息で長期入院をされていた患者様も、新しい治療によって、喘息をよりコントロールできるようになり、生活の質を向上させることができるようになりました。

患者様が、喘息の症状によって運動、旅行、部活動、勉学、音楽鑑賞などをあきらめることなく、好きなことに思い切ってチャレンジすることができるように全力でサポートします。

03-5628-2770
院長
添田 聖子
診療内容
内科、呼吸器内科、糖尿病内科、アレルギー科
住所
〒136-0072
東京都江東区大島1-1-5 VIP大島2階D
最寄駅
都営新宿線「住吉」駅より徒歩9分
駐車場
3台(クリニックモール共有)
●:14:30~18:30 光太郎先生
★:9:00~13:00 第1.3.5土曜日…院長、第2.4土曜日…光太郎先生
休診日
水曜午前、土曜午後、日曜、祝祭日
診療時間 日祝
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